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平成26年 海事代理士試験 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律

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平成26年海事代理士試験 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の解説

 

1.次の文章中、□に入る適切な語句を下欄の語群の中から選び、その番号を解答欄に記入せよ。

(1) 船舶から当該船舶の機関室で生じた貨物油を含まないビルジを排出することが認められる場合の排出基準は、特別の定めがある場合を除き、希釈しない場合の油分濃度が一万立方センチメートル当たり[0.15]立方センチメートル以下であって、南極海域以外の海域において、当該船舶の航行中に、[ビルジ等排出防止設備]のうち国土交通省令で定める装置を作動させながら排出することである。

→ 根拠法令は、法4条及び施行令1条の8。

(法4条) 何人も、海域において、船舶から油を排出してはならない。ただし、次の各号の一に該当する油の排出については、この限りでない。

2  前項本文の規定は、船舶からのビルジその他の油(タンカーの水バラスト、貨物艙の洗浄水及びビルジ(以下「水バラスト等」という。)であつて貨物油を含むものを除く。次条第一項において「ビルジ等」という。)の排出であつて、排出される油中の油分(排出される油に含まれる前条第二号の国土交通省令で定める油をいう。以下同じ。)の濃度、排出海域及び排出方法に関し政令で定める基準に適合するものについては、適用しない。

(施行令第1条の8) 法第四条第二項 に規定する船舶からのビルジその他の油の排出に係る同項 の排出される油中の油分の濃度(以下「油分濃度」という。)、排出海域及び排出方法に関し政令で定める基準(以下この条において「排出基準」という。)は、次のとおりとする。

一  希釈しない場合の油分濃度が一万立方センチメートル当たり〇・一五立方センチメートル以下であること。

二  別表第一の五に掲げる南極海(次項、次条第一項第三号、第一条の十及び第二条において単に「南極海域」という。)及び同表に掲げる北極海域(次項において単に「北極海域」という。)以外の海域において排出すること。

三  当該船舶の航行中に排出すること。

四  ビルジ等排出防止設備のうち国土交通省令で定める装置を作動させながら排出すること

 

(2) 法定の除外事由に該当する場合を除き、何人も、[バルティック海海域、北海海域、北米海域及び米国カリブ海海域]以外の海域において、船舶に燃料油を使用するときは、硫黄分の濃度が質量百分率[3.5パーセント]以下であり、かつ、無機酸を含まない燃料油を使用しなければならない。

→ 根拠法令は、法19条の21第1項本文及び施行令11条の10。

(法19条の21) 何人も、海域において、船舶に燃料油を使用するときは、政令で定める海域ごとに、硫黄分の濃度その他の品質が政令で定める基準に適合する燃料油(以下「基準適合燃料油」という。)を使用しなければならない

(施行令11条の10)法第十九条の二十一第一項 の政令で定める海域は、次の表の上欄に掲げるとおりとし、同項 の政令で定める基準は、当該海域ごとにそれぞれ同表下欄に掲げるとおりとする。
一 海域:別表第一の五に掲げるバルティック海海域、別表第二の二備考第六号に規定する北海海域並びに別表第五に掲げる北米海域及び米国カリブ海海域
  基準: 硫黄分の濃度が質量百分率〇・一パーセント以下であり、かつ、無機酸を含まないこと。
二 海域:前号に掲げる海域以外の海域
  基準: 硫黄分の濃度が質量百分率三・五パーセント以下であり、かつ、無機酸を含まないこと。

 

 

(3) 海洋施設を設置しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、海上保安庁長官]に届け出なければならない。 

→ 根拠法令は、法18条の3第1項。

 

2.次の文章のうち、正しいものには○を、誤っているものには×を解答欄に記入せよ。

(1) 南極海域以外にある総トン数四百トン以上又は最大搭載人員十一人以上の国際航海に従事する船舶からの政令で定めるふん尿等の排出は、排出海域及び排出方法に関し政令で定める基準に従ってする場合に限り認められる。

答え : ☓

→ 根拠法令は、法10条2項1号及び施行令2条1号。南極海域以外の場合は、11人ではなく、16人以上です。

(10条2項)前項本文の規定は、船舶からの次の各号のいずれかに該当する廃棄物の排出については、適用しない。

一  当該船舶内にある船員その他の者の日常生活に伴い生ずるふん尿若しくは汚水又はこれらに類する廃棄物(以下「ふん尿等」という。)の排出総トン数又は搭載人員の規模が政令で定める総トン数又は搭載人員以上の船舶からの政令で定めるふん尿等の排出にあつては、排出海域及び排出方法に関し政令で定める基準に従つてする排出に限る。)

(施行令2条)  法第十条第二項第一号 の政令で定める総トン数又は搭載人員は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める総トン数又は最大搭載人員(最大搭載人員の定めのない船舶にあつては、これに相当する搭載人員。以下同じ。)とする。
一  国際航海に従事する船舶 四百トン又は十六人南極海域にある船舶にあつては、四百トン又は十一人
二  国際航海に従事しない船舶 百人(南極海域にある船舶にあつては、十一人)

 
(2) 船長(もっぱら他の船舶に引かれ、又は押されて航行する船舶(以下「引かれ船等」という。)にあっては、船舶所有者。)は、油記録簿をその最後の記載をした日から二年間船舶内(引かれ船等にあっては、当該船舶を管理する船舶所有者の事務所。)に保存しなければならない。

答え : ☓

→ 根拠法令は、法8条1項及び3項。2年間ではなく、3年間です。

(8条) 船長(もつぱら他の船舶に引かれ、又は押されて航行する船舶(以下「引かれ船等」という。)にあつては、船舶所有者次項及び第三項において同じ。は、油記録簿を船舶内(引かれ船等にあつては、当該船舶を管理する船舶所有者の事務所。第三項において同じ。)に備え付けなければならない。ただし、タンカー以外の船舶でビルジが生ずることのないものについては、この限りでない。

2  油濁防止管理者は、当該船舶における油の排出その他油の取扱いに関する作業で国土交通省令で定めるものが行われたときは、その都度、国土交通省令で定めるところにより、油記録簿への記載を行わなければならない。

3  船長は、油記録簿をその最後の記載をした日から三年間船舶内に保存しなければならない。

 

(3) 何人も、海域において、船舶から廃棄物を排出してはならない。ただし、当該船舶内にある船員その他の者の日常生活に伴い生ずる食物くずの排出であって、排出海域及び排出方法に関し政令で定める基準に従ってする場合は、例外的に認められる。

答え : ○ 

→ 根拠法令は、法10条1項・2項2号および施行令4条1項。

(10条) 何人も、海域において、船舶から廃棄物を排出してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する廃棄物の排出については、この限りでない。

2  前項本文の規定は、船舶からの次の各号のいずれかに該当する廃棄物の排出については、適用しない。
二  当該船舶内にある船員その他の者の日常生活に伴い生ずるごみ又はこれに類する廃棄物の排出政令で定める廃棄物の排出に限る。)であつて、排出海域及び排出方法に関し政令で定める基準に従つてするもの

(施行令4条1項) 法第十条第二項第二号 の政令で定める廃棄物は、食物くずとする。

 

 

(4) 船舶から政令で定める基準に適合する水底土砂の海洋投入処分をしようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。

答え : ☓

→ 根拠法令は、法10条の6第1項及び法10条2項5号ロ。国土交通大臣ではなく、環境大臣です。

(10条の6)  船舶から第十条第二項第五号イ又はロに掲げる廃棄物の海洋における投入処分(以下「海洋投入処分」という。)をしようとする者は、環境大臣の許可を受けなければならない。

(10条2項) 前項本文の規定は、船舶からの次の各号のいずれかに該当する廃棄物の排出については、適用しない。

五  次に掲げる廃棄物の排出であつて、第十条の六第一項の許可を受けてするもの
イ 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 (昭和四十五年法律第百三十七号)第六条の二第二項 若しくは第三項 又は第十二条第一項 若しくは第十二条の二第一項 の政令において海洋を投入処分の場所とすることができるものと定めた廃棄物
ロ 水底土砂(海洋又は海洋に接続する公共用水域から除去された土砂(汚泥を含む。)をいう。)政令で定める基準に適合するもの

 

(5) 廃油処理事業者は、廃油の処理の料金その他の廃油の処理の引受けの条件について廃油処理規程を定め、あらかじめ、国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

答え : ○

→ 根拠法令は、 法26条1項。

(26条1項) 廃油処理事業者(第二十条第一項の許可を受け、又は同条第二項の規定による届出をした者をいう。以下同じ。)は、廃油の処理の料金その他の廃油の処理の引受けの条件について廃油処理規程を定め、あらかじめ、国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

                                以上

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