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平成28年 海事代理士試験 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(H30.7.24更新)

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平成28年海事代理士試験 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の解説

 

1.海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律に関する次の文章中の に入る適切な語句又は数字を下欄の語群の中から選び、その番号を解答欄に記入せよ。

(1) 船舶により[未査定液体物質]を輸送しようとする者は、あらかじめ、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行規則で定めるところにより、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

→ 根拠法令は、法9条の6第2項。

  船舶により未査定液体物質を輸送しようとする者は、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

 

(2) 緊急に処分する必要があると認めて環境大臣が指定する廃棄物の排出であって、排出海域及び排出方法に関し環境大臣が定める基準に従ってする船舶からの廃棄物の排出をしようとする者は、その排出に関する計画が同基準に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して海上保安長官]の確認を受けなければならない。

→ 根拠法令は、法10条2項6号、10条の12第1項、10条1項本文。

(10条1項本文) 何人も、海域において、船舶から廃棄物を排出してはならない。

(10条2項6号) 前項本文の規定は、船舶からの次の各号のいずれかに該当する廃棄物の排出については、適用しない。
六  緊急に処分する必要があると認めて環境大臣が指定する廃棄物の排出であつて、排出海域及び排出方法に関し環境大臣が定める基準に従つてするもの

(10条の12第1項)

第十条の十二  船舶から第十条第二項第五号イ若しくはロに掲げる廃棄物又は同項第六号に規定する廃棄物を排出しようとする者は、当該廃棄物の船舶への積込み前(当該廃棄物が当該船舶内において生じたものであるときは、その排出前)に、その排出に関する計画がそれぞれ第十条の六第一項の許可に係る同条第二項第三号の実施計画(この計画について第十条の十第一項の許可を受けたときは、変更後のもの。次項において同じ。)又は第十条第二項第六号の環境大臣が定める基準に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して、海上保安庁長官の確認を受けなければならない。

 

(3) 海洋施設を設置しようとする者は、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行規則で定めるところにより、その設置の工事の開始の日の[30]日前までに海上保安庁長官に届け出なければならない。

→ 根拠法令は、法18条の3第1項柱書及び施行規則12条の16の3第1項。

第十八条の三  海洋施設を設置しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、次の事項を海上保安庁長官に届け出なければならない

第十二条の十六の三  法第十八条の三第一項 の規定により海洋施設の設置の届出をしようとする者は、その設置の工事の開始の日の三十日前までに、同項 各号に掲げる事項を記載した届出書を提出しなければならない。

 

 

2.海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律に関する次の文章のうち、正しいものには○を、誤っているものには×を解答欄に記入せよ。

(1) 海洋の汚染の防止に関する試験、研究又は調査のためにする船舶からの油の排出は、当該船舶ごとに承認申請書を提出し、環境大臣の承認を受けた場合認められる。

答え : ☓

→ 根拠法令は、法4条1項本文及び同条4項。環境大臣ではなく、海上保安庁の承認をうけた場合に油の排出をすることができます。

(4条)何人も、海域において、船舶から油を排出してはならない。
4  第一項本文の規定は、海洋の汚染の防止に関する試験、研究又は調査のためにする船舶からの油の排出であつて、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ海上保安庁長官の承認を受けてするものについては、適用しない。

 

(2) 船舶から水底土砂(海洋又は海洋に接続する公共用水域から除去された土砂(汚泥を含む。)をいう。)で政令で定める基準に適合し、許可を受けたものの排出を行う場合、1回限りの排出であれば、船舶所有者は当該排出に用いられる船舶について海上保安庁長官の登録を受けなくてもよい。

答え : ○ 

→ 根拠法令は、法11条、10条1項本文、及び同条2項5号ロ。許可は必要ですが、登録が必要なのは、常用するときだけです。

(11条) 船舶所有者は、船舶を第十条第二項第四号又は第五号の規定によつてする廃棄物の排出に常用しようとするときは、当該船舶について海上保安庁長官の登録を受けなければならない

(10条)何人も、海域において、船舶から廃棄物を排出してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する廃棄物の排出については、この限りでない。
 2  前項本文の規定は、船舶からの次の各号のいずれかに該当する廃棄物の排出については、適用しない。
 五  次に掲げる廃棄物の排出であつて、第十条の六第一項の許可を受けてするもの
イ 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 (昭和四十五年法律第百三十七号)第六条の二第二項 若しくは第三項 又は第十二条第一項 若しくは第十二条の二第一項 の政令において海洋を投入処分の場所とすることができるものと定めた廃棄物
ロ 水底土砂(海洋又は海洋に接続する公共用水域から除去された土砂(汚泥を含む。)をいう。)で政令で定める基準に適合するもの

 

(3) 港湾管理者及び漁港管理者以外の者が廃油処理事業を行なおうとするときは、廃油処理施設ごとに、申請書を提出し、国土交通大臣の許可を受けなければならない。

答え : ○

→ 根拠法令は、法20条1項及び21条1項本文。

(20条1項)  港湾管理者及び漁港管理者以外の者は、廃油処理事業を行なおうとするときは、廃油処理施設ごとに、国土交通大臣の許可を受けなければならない。

(21条1項) 前条第一項の許可を受けようとする者は、次の事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。

 

(4) 港湾管理者又は漁港管理者は、廃油処理事業を行なおうとするときは、その廃油処理施設の設置の工事の開始の日(工事を要しないときは、その事業の開始の日)の60日前までに、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

答え : ○

→ 根拠法令は、法20条2項。

(20条2項) 港湾管理者又は漁港管理者は、廃油処理事業を行なおうとするときは、その廃油処理施設の設置の工事の開始の日(工事を要しないときは、その事業の開始の日)の六十日前までに、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

 

(5) 副本を添えてする申請、届出又は報告であって、国土交通大臣にするもの(船舶又は港湾管理者及び漁港管理者以外の者が行う廃油処理事業に関するものに限る。)は、当該申請、届出又は報告に係る船舶の所在地又は廃油処理事業に係る廃油処理施設の設置される場所の周辺海域(船舶又は自動車により廃油の収集を行う場合にあっては、その収集の対象となる廃油を排棄する船舶の存する海域)のうち処理の対象となる廃油を排棄する船舶が主として存する海域若しくは廃油処理施設の所在地を管轄する地方運輸局長を経由してしなければならない。

答え : ○

→ 根拠法令は、施行規則42条。

(42条)  法及びこの省令(第十二条の二の二、第十二条の二の三十二、第十二条の二の三十四、第十二条の二の三十五、第十二条の二の三十七、第十二条の二の四十、第十二条の三の八、第十二条の三の十(第十二条の十六の二第二項において準用する場合を含む。)及び第十二条の十六を除く。)の規定による申請、届出又は報告に係る書類には、副本一通を添えなければならない。

2  前項の申請、届出又は報告であつて国土交通大臣にするもの(船舶又は港湾管理者及び漁港管理者以外の者が行う廃油処理事業に関するものに限る。)は、当該申請、届出又は報告に係る船舶の所在地又は廃油処理事業に係る廃油処理施設の設置される場所の周辺海域(船舶又は自動車により廃油の収集を行う場合にあつては、その収集の対象となる廃油を排棄する船舶の存する海域)のうち処理の対象となる廃油を排棄する船舶が主として存する海域若しくは廃油処理施設の所在地(当該所在地が二以上の地方運輸局の管轄区域にわたるときは、主たる廃油処理設備の所在地)を管轄する地方運輸局長を、同項の申請、届出又は報告であつて管区海上保安本部長にするもの(第十一管区海上保安本部長にするものにあつては、石垣海上保安部の管轄区域に係るものに限る。)は、海上保安監部、海上保安部又は海上保安航空基地の長を経由してしなければならない。

                                以 上

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