岬研究室 海事分室

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平成28年 海事代理士試験 船舶安全法

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平成28年海事代理士試験 船舶安全法の解説

 

1.次の文章中、□に入る適切な語句又は数字を回答欄に記入せよ。

(1)小型船舶とは、総トン数[20]トン未満の船舶を指す。

→ 根拠法令は、船舶安全法第六条ノ五。条文がそのまま出題されているので覚えるしかないか。 

 第二十五条の六十七及第二十五条の六十八ニ於テ準用スル第二十五条の四十七ノ規定ニ依リ国土交通大臣ノ登録ヲ受ケタル者(以下登録検査確認機関ト称ス)ガ国土交通省令ノ定ムル所ニ依リ総噸数二十噸未満ノ船舶(以下小型船舶ト称ス)ニシテ国土交通省令ヲ以テ定ムルモノノ検査ヲ行ヒ且当該小型船舶ガ第二条第一項ニ規定スル国土交通省令又ハ国土交通省令農林水産省令ノ規定ニ適合スルコトヲ確認シタルトキハ当該小型船舶ニ付国土交通省令ノ定ムル所ニ依リ其ノ後三十日内ニ行フ中間検査ヲ省略ス但シ其ノ期間内ニ臨時検査ヲ受クベキ事由ノ生ジタル小型船舶ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ

 

(2)船舶安全法第3条の規定により、遠洋区域又は近海区域を航行区域とする船舶、沿岸区域を航行区域とする長さ[24メートル]以上の船舶又は総トン数[20トン]以上の漁船には、満載喫水線を標示する必要がある。

→ 根拠法令は、船舶安全法第3条各号。やはり条文がそのまま出題されているので、覚えるしかないか。

 左ニ掲グル船舶ハ国土交通省令ノ定ムル所ニ依リ満載吃水線ヲ標示スルコトヲ要ス但シ潜水船其ノ他国土交通大臣ニ於テ特ニ満載吃水線ヲ標示スル必要ナシト認ムル船舶ハ此ノ限ニ在ラズ

一  遠洋区域又ハ近海区域ヲ航行区域トスル船舶

二  沿海区域ヲ航行区域トスル長サ二十四メートル以上ノ船舶

三  総噸数二十噸以上ノ漁船

 

(3)製造検査の対象となる船舶は、長さ[30メートル]以上の船舶である。

→ 根拠法令は、船舶安全法第6条1項。やっぱり条文。

 本法施行地ニ於テ製造スル長サ三十メートル以上ノ船舶ノ製造者ハ第二条第一項ノ規定ノ適用アル船舶ニ付同条第一項第一号、第二号及第四号ニ掲グル事項、第三条ノ船舶ニ付満載吃水線ニ関シ船舶ノ製造ニ著手シタル時ヨリ国土交通省令ノ定ムル所ニ依リ検査(製造検査)ヲ受クベシ但シ国土交通大臣ニ於テ已ムコトヲ得ズ又ハ必要ナシト認ムルトキハ此ノ限ニ在ラズ

 

(4)船舶安全法第五条の規定により、[船舶所有者]は船舶安全法第二条第一項の事項、第三条の満載喫水線、第四条の無線電信に関する検査を受検する必要がある。

→ 根拠法令は、船舶安全法第5条1項柱書。これも条文。

 船舶所有者ハ第二条第一項ノ規定ノ適用アル船舶ニ付同項各号ニ掲グル事項、第三条ノ船舶ニ付満載吃水線、前条第一項ノ規定ノ適用アル船舶ニ付無線電信等ニ関シ国土交通省令ノ定ムル所ニ依リ左ノ区別ニ依ル検査ヲ受クベシ

 

(5)[船舶検査証書]を受有しない船舶を臨時に航行の用に供するときには、臨時航行検査を受検しなければならない。

→ 根拠法令は船舶安全法第5条1項4号。ちょっとわかりづらいですが条文だけでなんとかなります。

 船舶所有者ハ第二条第一項ノ規定ノ適用アル船舶ニ付同項各号ニ掲グル事項、第三条ノ船舶ニ付満載吃水線、前条第一項ノ規定ノ適用アル船舶ニ付無線電信等ニ関シ国土交通省令ノ定ムル所ニ依リ左ノ区別ニ依ル検査ヲ受クベシ

四  船舶検査証書ヲ受有セザル船舶ヲ臨時ニ航行ノ用ニ供スルトキ行フ検査(臨時航行検査)

 

(6)[型式承認]を受けた製造者が当該[型式承認]物件を製造し、且つ管海官庁、[登録検定機関]又は小型船舶検査機構の検定を受けた場合には、当該物件に関する船舶安全法第5条の検査([特別検査]を除く。)又は第六条の検査を省略する。

→ 根拠は船舶安全法第六条ノ四第1項。長くて読みにくいけど、条文だけ。ここだけでなんと20点中6点分。

 船舶又ハ第二条第一項各号ニ掲グル事項ニ係ル物件ニシテ国土交通省令ヲ以テ定ムルモノニ付国土交通大臣型式承認ヲ受ケタル製造者ガ当該型式承認ニ係ル船舶又ハ物件ヲ製造シ且管海官庁、第二十五条の四十六及第二十五条の四十七ノ規定ニ依リ国土交通大臣ノ登録ヲ受ケタル者(以下登録検定機関ト称ス)又ハ次章ノ規定ニ依ル小型船舶検査機構ノ検定ヲ受ケ之ニ合格シタルトキハ当該船舶又ハ物件ニ付国土交通省令ノ定ムル所ニ依リ第五条ノ検査(特別検査ヲ除ク)及第六条ノ検査ヲ省略ス

 

2.次の問いに答えよ。

(1)船舶安全法の目的を2つ答えよ。

   船舶の堪航性を保持すること人命の安全を保持すること

→ 根拠法令は、船舶安全法第1条。目的といったら、第一条ですよね。なんとなく読みづらいですが、「堪航性を保持し、かつ、人命の安全を保持するのに必要な施設がないような日本船舶には航行をさせない」と規定されているのですから、逆に考えると、船舶安全法の目的はこの2つであることが読み取れます。

 日本船舶ハ本法ニ依リ其ノ堪航性ヲ保持シ人命ノ安全ヲ保持スルニ必要ナル施設ヲ為スニ非ザレバ之ヲ航行ノ用ニ供スルコトヲ得ズ

 

(2)船舶安全法第三十二条(施設強制の規定の不適用)が適用され、船舶検査を受験する必要がない漁船はどのような漁船か答えよ。

 専ら本邦の海岸から12海里以内の海面又は内水面において従業する/総トン数20トン未満の漁船

→ 根拠法令は、船舶安全法附則第32条と、船舶安全法第三十二条の漁船の範囲を定める政令(なんとこれだけを定める政令があります!)。

(船舶安全法)第三十二条  第二条第一項ノ規定ハ政令ヲ以テ定ムル総噸数二十噸未満ノ漁船ニハ当分ノ内之ヲ適用セズ

政令)内閣は、船舶安全法 (昭和八年法律第十一号)第三十二条 の規定に基づき、この政令を制定する。

 船舶安全法第三十二条 の政令で定める総トン数二十トン未満の漁船は、専ら本邦の海岸から十二海里以内の海面又は内水面において従業する漁船とする。

 

(3)最大搭載人員は、その種類から3つに区分されるが、それぞれの名称を全て答えよ。

 旅客船員、その他の乗船者

→ 根拠法令は、船舶安全法9条及び同法施行規則第8条。どこまで答えたら1点が入るのか、その区切りがよくわかりませんが、この3つ答えると2点です。※漁船が船員・その他の乗船者、漁船以外が旅客・船員・その他の乗船者なので、船員・その他の乗船者で1点、旅客まで書けると1点かな?

 管海官庁ハ定期検査ニ合格シタル船舶ニ対シテハ其ノ航行区域(漁船ニ付テハ従業制限)、最大搭載人員、制限汽圧及満載吃水線ノ位置ヲ定メ船舶検査証書及船舶検査済票(小型船舶ニ限ル)ヲ交付スベシ

 法第九条第一項 の規定により定める最大とう載人員は、漁船以外の船舶にあつては旅客船員及びその他の乗船者の別に船舶設備規程 (昭和九年逓信省令第六号)又は小型船舶安全規則 (昭和四十九年運輸省令第三十六号)の定めるところにより、漁船にあつては船員及びその他の乗船者の別に漁船特殊規程(昭和九年逓信省農林省令)又は小型漁船安全規則 (昭和四十九年農林省運輸省令第一号)の定めるところによる。

                               以上

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